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Channel: 酒屋さんの酔いどれ日記
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田嶋酒造(福井県福井市)を訪問

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1月18日福井に入って最初に訪問したのが田嶋酒造さんでした。
社長、奥様、息子さん(杜氏)、蔵人さんのまさに家族蔵です。
そんな状況ですので、仕込みも忙しい中の訪問で恐縮しましたが、とても丁寧にご対応いただきました。感謝!

福千歳の蔵の始まりは、福井県福井市清水町(旧 志津村大森)。 
そのころは、福千歳ではなく加茂の井(かものい)というお酒を造ってました。
しかし、その地で幾度となく起こる水害によって困り果てた先々代の徳次郎は福井に出て酒造りをすることを決意。
昭和28年酒造りにかかせない良質な水が豊かなこの地(現在のこの蔵の場所/福井市桃園町)で 酒造りを再びはじめることとなりました。
銘柄の由来は、清水町を離れて最初に暮らした土地、千歳(ちとせ)町(現在の福井市足羽2丁目)での良き思い出から、福 千 歳 と命名。
福が千歳と続くようにという願いが込められおります。

この蔵の特徴はこの仕込み水のやわらかさと、山廃仕込です。
なんと昭和52年に速醸造りをはじめるまでは、この蔵には速醸が伝わってきてなかったとのこと。
それまではずっと山廃のお酒を醸してきました。
ちなみに写真奥の麹室の内面は特注の杉板ばり。適度に湿度を保つ優れものですが、手入れが大変。
イメージ 1
そのような山廃の伝統がありますので、いまでも仕込みの7割以上は山廃仕込です
ただ、一般的な酸の強い山廃とは一味違い、とてもやさしく口当たりのいいお酒を醸されています。
その秘密は仕込み水と、酵母にあります。
杜氏の雄二郎さんは、東京農大醸造学科で醸造学を修められています。
その農大の教授から分けてもらった、桜の花から分離に成功した『天然吟香酵母さくら』です。
名前を聞くと何だか香りぷんぷんなイメージですが、実際はそうでもありません。
試してみるととても品のいい風味と味わいで、冷やでもぬる燗でもおいしい。
こちらのメインの山廃純米は、山廃という名前にとらわれず、ぜひ一度お試しいただけたらと思います。
酒名は「円」。家庭円満、人との和、そんなことを思いながら飲みたいお酒。

幸せを呼ぶ「ふくろう」ラベル
○福千歳 山廃純米 円  1.8L¥2571
イメージ 3
逆に菊姫さんや花垣さんのようなしっかりと熟成した山廃をお求めの方にはやさしすぎるかもしれません。

イメージ 2

この他にも田嶋酒造で採れた酵母で醸した山廃純米吟醸も素晴らしい出来です。
酒名は「徳」。先々代の蔵元は徳次郎さん、現蔵元は徳彦さん。蔵元も思いいれのあるお酒で
純米吟醸の品のよさと山廃のやさしさを併せ持ったお酒。
一日一善、いいことをした日に(徳を積んだ日に)ご褒美に飲みたいですね。

○福千歳 山廃純米吟醸 徳 1.8L¥3909 720ml¥1955 ともに箱入り
イメージ 4
また、雄二郎杜氏は、大学ではワインの醸造も学んだそうです。
その経験を生かしたのが、福井県産こしひかりで醸したピュアライスワインです。

○福千歳 ピュア・ライスワイン 720ml¥1296
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なんとワイン酵母で醸した日本酒。キワモノかと思いましたが、これは非常に出来がよかった!
目隠しして飲んだら日本酒とは分からないかもしれません。まるで甲州ワインのような酸、
米の旨味と酸のバランスは絶妙です。なにしろ試作を26回もやってようやくできた味わいらしいので。
こちらは暑い夏場でもおいしく飲めますし、カルパッチョや揚げ物との相性もバッチリです。
価格も720mlで¥1296。国産ワインを超えるコストパフォーマンスです。

これらのお酒は2月3日入荷予定。どうぞお楽しみに!
蔵のフェイスブックページもありますので、そちらもチェックしてみて下さい。


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