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Channel: 酒屋さんの酔いどれ日記
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南部酒造場(福井県大野市)を訪問

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1月19日、福井県でも珍しく積雪がない冬でしたが、この日はとうとう朝から大雪です。
前日は福井市内に宿泊していて、夜の12時までしっかりと福井の夜を堪能、いやリサーチ。
翌朝は7時10分に大野市の南部酒造場さんにアポイントをとっているので、6時にはホテルを出発。
長崎では見たことのないような吹雪、道路の車線も見えない中、なんとか南部酒造場に到着です。

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南部酒造場さん、銘柄は「花垣」。大野は米どころ、良質の酒米に棚田や有機米など色々なタイプの
酒米を使用し、御清水(おしょうず)と呼ばれる名水で醸します。
恵まれた米と水の良さを最大限に引き出すことをモットーにした王道の酒造りです。

蔵では日置杜氏ら蔵人がちょうど大吟醸の洗米の最中でした。
杜氏さんは面白いキャリアの持ち主で、東京理科大で物理学を修められ、自動車メーカーに就職。
しかし、酒造りへの思いが断ち切れず、この道に入ったという職人気質の方です。
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お忙しい中、丁寧に説明していただきました。
5年前に来たときよりも、色々な手法が改善されていて、進化しているとのこと。
またここでは、同じ五百万石でも農家さんごとに別に仕込んでいます。
取れた場所や農法でまったく違うお米だそうです。となると当然、吸水の仕方も異なるため
それぞれの農家ごとに酒を仕込んでいき、最終的にブレンドするとのこと。
まとめて醸造すれば、時間も短縮できて量も増やせるのでしょうけど、ここでは品質追求のためこのやり方で
現在は蔵の生産可能量の限界でこれ以上は増やせないそうです。

米の倉庫から、洗い場、蒸し場、麹室、酒母室、分析室、仕込みタンクなど、じっくりと見せていただきました。
ここではどこまで書いていいか分からないので、割愛します。興味ある方はお店で聞いてくださいね。

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さて、お楽しみの利酒ですが、私は運転のために香りと味見だけ。全部吐き出しますが、
酒によっては、酒が喉を通せとささやいてきます。旨いんです。しかし、がまん。。
蔵元ならではの色々な生原酒のぜいたくな利酒です。本醸造から、純米、大吟醸、にごり酒、そして貴醸酒まで。
このうちのいくつかは月末と2月の初旬に入荷してきます。予約してた酒の確認ができて本当によかった。

○純米大吟醸 無ろ過生原酒 720ml¥2376
○大吟醸 たれくち生      720ml¥2916

この2本は入荷してきますが、本当においしかったです。どうぞお楽しみに!

この蔵は、正統派な大吟醸から、伝統的なきもと・山廃のお酒まで、どれも王道を追求しています。
奇をてらわず、ブレがない、最高の水で農家さんがつくった最高の米の旨味をしっかりと表現していて、
どの酒を飲んでも、しっかりとした芯を感じさせます。

ちなみにこの南部酒造場がある、大野市の七間通りは昔風の町並みで素敵なお店が並んでいます。
また、大野市特産の上庄里芋は全国区の名産品。
http://info.pref.fukui.jp/hanbai/syunfile/syun27/syun_kaibou/syun_kaibou_01.html
外側は煮崩れずしっかりとしていながら、中身は肌理の細かいなめらかなあじわい。
この里芋と花垣があれば、他には何もいらないくらいの相性があります。
もし福井に行ったら、この大野市も訪れてみてはいかがでしょうか。


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